“巻き込む力”が、緊急時において大きな力を発揮することを実感した日。
調達需給部 需給グループ
鈴木 陸(2021年入社)
需給グループでバーター業務に携わっていた2024年1月1日に「能登半島地震」が発生しました。その日、私は祖母がいる広島で正月休暇を過ごしていましたが、速報を見てあわてて東京に向かいました。地震が発生したエリアに、当社の一次基地である七尾ガスターミナルがあったからです。
七尾ガスターミナルの出荷機能が停止すると、北陸地方一帯がガス切れの危機に陥ります。プロパンガスはガスコンロをはじめガスヒーターやガス給湯器などを動かす基幹エネルギーであり、生活を支える重要インフラです。真冬の1月に暖を取る手段がなくなることは、すなわち人命の危機を意味します。地震によるひび割れでタンクローリーの基地への入構が不可能との第一報があったため、災害エリアの需要と供給の全体像を把握して不足を補う策を講じる必要がありました。
七尾ガスターミナルの近隣出荷拠点は当社系列の新潟ガスターミナルと他社系列の金沢基地の2拠点となりますが、距離のある新潟ガスターミナルからは十分なガス量の振り替えが期待できず、他社系列の金沢基地に振り替えを要請することになりました。しかし、他社の物流網も震災の被害を受けています。在庫の維持を脅かすことになりかねない大量の振り替え要請は緊張感が高いものでした。
私たちは駆け引きなしの本音で他社に相談し、このピンチを乗り越えるためにENEOSグローブが貢献できることを自発的に提案しました。腹を割った交渉によって調整は最短距離で結論まで辿り着き、地域一帯の供給体制が確保される見通しが立ちました。複数の元売り需給部隊が一体となって供給確保のために協力した、印象的な1日となりました。LPガスの特長である「災害に強いエネルギー」の真価が問われる出来事だったと思います。
この経験から周囲を巻き込むことの有用性と、その進め方を学びました。私にとって巻き込むとは、互いの状況を理解したうえで同じ方向を向き、一体となって物事を進めることです。周囲を巻き込むことで堅実性と推進力の両立が叶えられ、特に迅速かつ効果的な対応が求められる緊急時において大きな力を発揮できることを実感しました。
対応中は目の前の作業をこなすことで精一杯でしたが、後になって「一つひとつの作業が確かにLPガスの安定供給につながっていたのだ」と気づいたとき、自分の仕事が誰かの日常を守っているという実感とやりがいがこみ上げてきました。
あの日の経験が、
この会社で
働き続ける理由の
ひとつになりました!